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  日刊新周南に連載中のリレートーク (2002年 3月掲載)

馬耳周南風

    Spring has come ! A

  「あそこに武道館があったというのは、徳山市民として自慢でした。」という言葉がずっと耳に残っています。1月29日に駅ビルで開催した"新総合庁舎を考えるパネルディスカッション"に参加された方からのご意見です。街の中を赤胴鈴之介のように子供たちが胴着を着て歩いている姿は、大切に保存したい徳山の風景のひとつです。

 武道館を取り壊すことについて市はどんな対策をされたのか、それまであまり興味がなかったので詳しく知りませんでしたが、新総合庁舎の中にそういう機能を入れてほしいと県に要望した経緯があるようです。県からは、予算的に無理なのでと断られたようですが、私たちは徳山市民であり山口県民なのだから、もう少し県に主張してもいいのではないでしょうか?

 先日、子供たちが徳山小学校の体育館で練習しているのを見かけました。でも、その体育館も取り壊されると聞いて、びっくりしました。
 徳山小学校のPTAでありながら最近まで知らなくて恥ずかしい話ですが、あの体育館は、徳山大空襲の戦火を逃れて残った貴重な近代遺産なんだそうです。亡くなった義父(大正5年生まれ)から聞かされた講堂のできた時の話は、運動会の度に講堂でお弁当を食べながら出る、毎年決まった話題なので、薄情な嫁の私は聞き流していましたが、同じ講堂で子供(夫)も孫も学んでいることは、義父の自慢のひとつだったと思います。

 徳山小学校の講堂といっしょに取り壊される予定の正門(ここが正門だとは知らなかった)は、萩の明倫館の次に県内で古い歴史を持つ藩校鳴鳳館(徳山小学校の前身)のものだそうです。門だけ保存してどこかに移築しようかという案もあるようですが反対です。あの場所に街の風景として残ってこそ、語り継がれるものだと思います。

 徳山の自慢や誇りがどんどん削り取られていくようで不安です。昔ばかりを振り返っていたいわけではありません。来年になれば新周南市民となる私たちです。今こそ地域の歴史や街並みのことをきちんと考える時ではないでしょうか?街の自慢や誇りはちゃんと子供たちに受け継いでいかなくては、自分の市に誇りを持てない子供ばかり増えそうです。新しい市になっても各地域のアイデンティティは残っていくし、それはそこに暮らす者が責任をもって伝えていくべきだと考えます。そんな思いの者が集まってこそ新市は発展すると思います。

 新総合庁舎には、バレーやバトミントンもできる多目的ホールができるそうです。旧体育館が壊されたから、地区の行事を徳山小学校の体育館で行えるよう、生徒の規模以上の体育館を建てようとしていると聞きました。地区の行事なら多目的ホールを使えばいいのにと思いましたが、情報が地区住民にいきわたっていないのではないでしょうか?多目的ホールに武道館の機能を付加する予算がなかった県。そう言うんなら、市がお金を足してやっちゃあいけんのんかね?と柔軟な頭のわがメンバー長老がつぶやきました。

                                      とくらたかこ


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