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  日刊新周南に連載中のリレートーク ( 年 月掲載)

馬耳周南風

    ヨーロッパ建築レポート

 コンクリート打放しを一つの文化的な価値にまで高めた建築家がいる。安藤忠雄氏、彼は独学で建築をはじめて、東京大学の教授にまで上りつめたという異色の建築家である。
 先日、フランスの現代美術館の国際設計競技で、世界の強豪を押えて日本の安藤忠雄氏が1等当選を果たした。この美術館は、パリを流れるセーヌ川の中の島であるセガン島という島の1万坪ほどの敷地に建てられる約6万uの美術館で、フランス有数の資産家であるフランソワ・ピノー氏の主催で、国とのジョイントベンチャーで行なわれるため、まさにフランスの国家的プロジェクトということになる。

 安藤氏は、これから美術館の設計のため、少なくともひと月に1回のペースでパリに打合せに行くことになるそうだ。その他、現在アメリカで3つの美術館の現場に携わる傍ら、日本でも数々の建物のプロジェクトを抱えるため、ひと月の半分を日本で仕事をし、あとの半分は海外を移動しながら仕事をこなしているという状況だそうで、現在日本で最も多忙な建築家であることは間違えない。
 この安藤忠雄氏が企画する「建築視察団」という視察旅行が毎年行なわれている。
この視察団には、安藤氏の弟で私の師匠でもある北山孝二郎氏が必ず同行する。北山氏の事務所で修行しているころは、毎年視察後にスライド上映が行なわれ、一流の建築について語られる北山氏の説明をわくわくしながら聞いたものだ。

 事務所を独立して今年で4年目になるが、地方で仕事をする状態では、どうしても建築の最新状況を捉えることに限界を感じていた。そこで何とか師匠にお願いして、今年はこの視察団に加えていただくことになった。期間は10月22日から10月28日までの1週間で、今年はヨーロッパの最新の公共建築物とその使われ方について視察することになった。1週間でドイツ、オランダ、そしてロンドンとパリを訪れるというなかなかの強行軍である。

 この視察は純粋に建築と都市をテーマにしたもので、観光気分のグルメツアーではない。とにかく、朝から晩まで建築という建築を見まくるのだ。さながら建築の合宿といったところで、変な話だがこの視察で体重が減り体もやや引き締まったようだ。しかしその分だけ、濃密に建築とまちづくりの本質に迫ることができたと実感している。数々の収穫がある。特に地方のまちづくりにも役立つヒントがある。この感動がさめないうちにまとめておかなければいけないことが一杯あるが、今回の紙面で語るには余りある。そこで、次回から各国で見てきた実例をもとに、いまいちど地方のまちづくりを考えてみたい。

                                      石丸和広


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